中国ネット通販の京東、タイ・インドネシア事業停止へ

【バンコク=井上航介】中国ネット通販大手、京東集団(JDドットコム)は30日、3月までにタイとインドネシアでの事業を停止すると発表した。理由は明らかにしていないが、競争激化で収益を上げにくくなっていることが背景にあるとみられる。
両国の現地事業会社のウェブサイトで発表した。タイは3月3日に、インドネシアは3月31日に全てのサービスを打ち切る。注文の受け付けは両国とも2月15日まで。
JDドットコムはタイでは2018年に現地小売り大手セントラル・グループとの合弁会社JDセントラルを通じて事業を始めた。インドネシアにも15年に進出していた。
ネット通販市場は新型コロナウイルス禍の巣ごもり消費を追い風に拡大したが、競争も激しく、収益環境は悪化している。JDセントラルは事業開始以来、赤字が続いており、21年度も19億バーツ(約72億円)の最終赤字を計上していた。