タイ航空、前期末の債務超過4500億円 機材を減損
【バンコク=村松洋兵】会社更生手続き中のタイ国際航空が25日発表した2020年12月期の連結決算は、最終損益が過去最悪となる1411億バーツ(約5000億円)の赤字だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による減便が響いた。機材の減損損失も計上し、赤字額は前の期の12倍近くに膨らんだ。経営再建が難航しそうだ。
20年12月末の負債総額は前年末比4割増の3374億バーツで、債務超過額は1286億バーツ(約4500億円)に膨らんだ。タイ証券取引所は25日、上場廃止を検討するため同社株の取引を停止した。3月8日までに上場廃止の是非を決定する。
20年12月期の売上高は74%減の483億バーツだった。大幅な減便により旅客数が76%減の587万人に落ち込んだ。旅客需要の早期回復が見込めないため、保有する航空機や部品について827億バーツの減損損失を計上した。
同社は3月2日までにタイ中央破産裁判所に更生計画案を提出する予定だ。リストラ策と収益確保策を盛り込んで再建の道筋を示し、債権者の同意を得たい考えだ。提出期限はこれまでに2度延期されている。債権者との債務削減交渉が難航しているとみられる。

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