タイ、20年の貿易黒字が過去最高 輸出は6%減

【バンコク=村松洋兵】タイ商業省が22日発表した2020年の貿易統計によると、貿易黒字が19年比2.4倍の244億㌦(約2兆5000億円)に増え過去最高となった。新型コロナウイルスによる世界経済の減速の影響で輸出は減ったものの、輸入がそれ以上に減少した。
輸出は6%減の2314億㌦で2年連続の減少となった。主力の自動車・部品が22%減少した。リモートワーク需要の高まりを受け、コンピューター・部品は2%増えた。
輸入も12%減の2069億㌦と2年連続の減少だった。燃料需要の減少と油価の低下で原油が20%減少した。工業生産の低迷により機械・部品は13%減だった。
商業省は21年の輸出額の見通しを20年比4%増とした。米国のバイデン政権発足に関して、ピムチャノック貿易政策戦略局長は「環境配慮型の製品に集中する」と述べ、電気自動車(EV)関連などの輸出に注力する考えを示した。