タイ、サル痘を初確認 リゾート地プーケットで

【バンコク=村松洋兵】タイ政府は21日、天然痘に似た症状が出る「サル痘」の感染者を国内で初めて確認したと発表した。地元メディアによるとリゾート地プーケットを訪れたナイジェリア人の渡航者からウイルスを検出した。タイは新型コロナウイルス対策の入国規制を緩和し、外国人観光客の受け入れを拡大している。
感染者は27歳の男性でナイジェリアからタイに入国した。発熱や発疹の症状があり、ウイルス検査で感染が判明した。タイ政府は5月にサル痘の感染が広がる地域からの渡航者に対して、症状の自己申告を求める措置を導入していた。
タイはコロナ対策の入国規制をほぼ撤廃済みで、7月からは入国の事前申請制度も廃止した。5月の外国人旅行者数は約52万人で前年同月の86倍、前月比でも約8割増となった。東南アジアではシンガポールでもサル痘の感染者が確認されている。

<サル痘(エムポックス)とは> サル痘は天然痘ウイルスに似た「サル痘ウイルス」に感染して起こります。世界保健機関(WHO)や国立感染症研究所などによると、サル痘の患者では特徴的な発疹のほか、発熱、頭痛、リンパ節の腫れといった症状が出ます。サル痘という名前は、1958年に実験施設のサルで初めて確認されたことに由来します。
<WHOが緊急事態宣言、国内でも初の感染確認> WHOが2022年7月23日、世界的な感染急拡大を受け、20年1月の新型コロナウイルス以来となる「緊急事態宣言」を出しました。サル痘の最新ニュースや解説をまとめました。
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