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タイ、コロナ感染拡大で政権批判 ワクチン調達急ぐ

バンコクでは26日から活動制限が強化された=ロイター

【バンコク=村松洋兵】タイでプラユット政権が新型コロナウイルスの感染拡大に対応できていないとの批判が強まっている。政府は年内のワクチン調達を従来計画より6割増やす方針を打ち出し、批判の抑え込みに躍起だ。感染の封じ込めに失敗すれば、民主派などからの退陣要求が勢いを増す可能性がある。

タイはこれまで感染を比較的抑制してきたが、3月下旬にバンコクの歓楽街で発生したクラスター(感染者集団)から全国に感染が急拡大している。4月26日時点の累計感染者数は5万7508人となり、直近の1カ月で2倍に膨らんだ。首都バンコクでは26日から活動制限が強化され、映画館やマッサージ店が閉鎖された。

政府要人がナイトクラブで感染したとの疑いもあり、政権には厳しい目が注がれている。スアンドゥシット・ラチャパット大学が4月中旬に実施した世論調査では、「政府は状況に対処できていない」との回答が67%に達した。

プラユット首相は23日に臨時のテレビ演説を行い、年内のワクチン調達を従来計画より6割多い1億回分(2回接種で5000万人分)に増やす方針を明らかにした。実現すれば人口の7割以上に接種可能で、集団免疫の確保にめどがつく。

タイのワクチン接種率は東南アジアで最低レベルだ。日本経済新聞の23日時点のまとめによると、タイの人口100人当たりの接種回数は1回にとどまる。シンガポール(38.8回)に大差をつけられ、クーデターが起きたミャンマー(1.9回)にも後れを取る。プラユット氏は「当初の計画は感染を抑制していた時に立てたものだ」と弁明する。

ワクチンの調達先も多様化させる。政府はロシア製の「スプートニクV」と米ファイザー製を新たに加える方針だ。従来計画では中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製と英アストラゼネカ製だけだった。

シノバックにはタイ財閥チャロン・ポカパン(CP)グループが出資し、アストラゼネカ製はタイ王室系の製薬会社が国内で独占生産する計画だ。野党などがワクチンの選考過程が不透明と批判していた。

タイは20年3月に感染の第1波が起きると、厳しい活動制限を講じて抑え込んだ。軍政の流れをくむプラユット政権は、強権的な政治手法が批判されているが、コロナ対策は一定の評価を受けていた。

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