タイ、隔離なし入国を一時中止 オミクロン型を警戒

【バンコク=村松洋兵】タイ政府は21日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への対策として、隔離なしで入国を認める制度を一時中止すると発表した。11月からタイ政府が指定した63カ国・地域からの入国者については、ワクチン接種の完了を条件に隔離義務を免除していたが、規制を再び強化する。
2022年1月4日までこの制度での新規入国を停止し、今後の感染状況を見て再開するかどうか判断する。すでに受理した外国人の入国は認めるが、滞在中のPCR検査の回数を増やすなど防疫を強化する。
この制度を適用されずにタイへ入国する場合、原則として7~14日の隔離が必要だ。
隔離なし制度で規制を大幅に緩和した11月1日以降の外国人旅行者は約30万人にのぼり、1~10月累計の約10万人を大きく上回った。タイ政府は外国人旅行者の受け入れの本格化で観光業を盛り上げる構えだったが、制度の導入から2カ月足らずで見直しを迫られた。
タイでは20日までにオミクロン型の感染者が63人確認された。市中感染は1人だけで、ほかは入国時の検査で見つかった。ほかの変異型を含めた1日あたりの新規感染者数は2000~3000人台で推移している。8月には同2万人を超えたが、行動制限の強化やワクチン接種の拡大が奏功している。