タイ総選挙、5月14日に投開票 約4年ぶりに実施

【バンコク=村松洋兵】タイの選挙管理委員会は21日、解散した下院の総選挙の投開票日を5月14日にすると発表した。2014年に軍事クーデターが発生した同国は民政移管に向けて19年に実施した総選挙後も、親軍派の連立与党が政権を握る。約4年ぶりとなる総選挙は、タクシン元首相派を中心とした野党による政権交代が起きるかが焦点となる。
下院の解散はプラユット首相が決断し、20日付の官報で公表された。総選挙後に実施する首相指名選挙は下院議員(定数500)と、軍政下で任命された上院議員(定数250)が合同で投票する。上院議員は国軍の意向に従うとみられ、野党は総選挙で大勝しなければ政権交代を実現できない。
プラユット氏は14年に陸軍司令官としてクーデターを主導して暫定首相に就任。19年の総選挙で親軍政党「国民国家の力党」の支持を受けて連立政権の首相に就いた。今回の総選挙では、自身の支持者が立ち上げた新党「タイ団結国家建設党」に参加して首相続投を目指す。
国民国家の力党はプラウィット副首相を首相候補とする。同氏も元陸軍司令官で、形の上では親軍派は分裂選挙となる。政権奪還を目指すタクシン元首相派の最大野党「タイ貢献党」はタクシン氏の次女のペートンタン氏を首相候補に担ぎ大勝を期す。

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