「損して得とる」ASEAN、8年越しのRCEP合意
アジア総局長 高橋徹
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世界の人口や国内総生産(GDP)の3割をカバーする東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が、8年間のマラソン交渉の末に決着した。米国を筆頭に保護主義が台頭するなか、アジア発で自由貿易の砦(とりで)を守ったという「総論」での意義は大きい。ただし「各論」にあたる利害得失は、当然ながら国によって異なる。
交渉妥結の成果を殊更に誇示するのは中国だ。新型コロナウイルス禍のためオンラインでの協定署名式に臨んだ...
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経済が成長し目まぐるしく変化するアジアの国々。米国と中国の超大国同士の貿易摩擦が激しくなる中、その狭間に位置するアジアにも余波が及んできた。現地の政治・経済の今を切り取る。