タイ、新規感染者が初の1万人超え 行動制限強化へ

【バンコク=村松洋兵】タイ政府は17日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が初めて1万人を超えたと発表した。死者数も141人と最多だった。インド型(デルタ型)などのまん延を受けて、12日から首都バンコクなどで事実上のロックダウン(都市封鎖)を実施したものの感染拡大が収まらない。政府は行動制限をさらに強化する方針だ。
プラユット首相は16日夜、フェイスブックに「より厳格な封鎖措置の必要性を認識してほしい」と投稿した。バンコクなどでは12日から夜間外出禁止や県境を越える移動の制限が始まった。百貨店の営業も食品や日用品の販売を除き禁じられた。政府は近日中に追加措置を発表する見込みだ。
感染者急増により医療体制は逼迫している。バンコクにある国立マヒドン大学ラマティボディ病院は16日、緊急以外の手術と救急患者の受け入れを停止すると明らかにした。職員300人以上がコロナに感染し、医療サービスの提供が難しくなった。バンコクでは感染者が入院できずに、自宅で死亡するケースも出ている。
タイは新規感染者数を3月ごろは数十人にとどめていたが、4月以降に変異ウイルスが広がった。英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」の16日時点の集計では、人口100万人当たりの新規感染者数(7日間移動平均)が132人と、感染が深刻なインドネシア(170人)に迫る水準だ。ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は15%にとどまる。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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