タイCPフーズ、関係改善のサウジアラビアに鶏肉輸出再開
ウクライナ産代替

【バンコク=岸本まりみ】タイ食品大手チャロン・ポカパン(CP)フーズは15日、3月中にサウジアラビアへの鶏肉の輸出を再開すると発表した。タイ人労働者がサウジ王室から宝石類を盗み出した事件を機に両国の関係は悪化していたが、1月に正常化で合意した。ウクライナ産の鶏肉を多く輸入していたサウジの代替需要に応える。
タイ商業省によると、13日付でタイの鶏肉加工工場11カ所がサウジ食品医薬品局からイスラム教の戒律に沿った手法で生産したことを示す「ハラル認証」を受けた。このうち5カ所がCPフーズの工場だという。
サウジは鳥インフルエンザの流行を理由に、2004年からタイ産鶏肉の輸入を禁止していた。
CPフーズのプラシット最高経営責任者(CEO)は「年に最大59万トンの鶏肉を輸入するサウジアラビアへの再輸出が実現し、タイの輸出業者に大きなチャンスをもたらす」と強調し、サウジ当局との交渉にあたったタイ政府に感謝を示した。
タイの現地メディアによると、サウジアラビアは輸入鶏肉のうち7割をブラジル、3割をウクライナとフランスに頼っている。ロシアのウクライナ侵攻で供給が落ち込む分をタイ産の輸入で賄う方針とみられる。