鴻海など、タイにEV工場 最大2200億円投じ年産15万台

【バンコク=村松洋兵】タイ国営のタイ石油公社(PTT)と台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は14日、タイに電気自動車(EV)工場を設ける合弁契約の調印式を行ったと発表した。2023~24年ごろに年産5万台で操業を開始し、将来は15万台に増強する計画だ。投資額は最大20億㌦(約2200億円)を見込む。
タイの首都バンコクの東方に位置する経済特区「東部経済回廊(EEC)」に工場の建設を予定する。完成車の組み立てだけでなく研究開発機能も備える。同特区は日系メーカーを中心に自動車関連企業が集積している。現在は主にガソリン車の部品を手掛ける企業などにEV分野への進出を促す。
東南アジア最大の自動車生産国であるタイは、30年までに国内生産車の3割を二酸化炭素(CO2)を排出しないゼロエミッション車(ZEV)にする目標を掲げている。PTTのアタポン社長兼最高経営責任者(CEO)は合弁契約について「EVを推進する政府の方針に応えるものだ」と強調した。
鴻海の劉揚偉董事長はタイでの工場建設に関して「東南アジアのEV市場は飛躍的な成長を遂げる」とコメントした。同社は22年からEVへの本格参入を計画しており、米国にも生産拠点を設ける意向を表明している。

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