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中国との鉄路、ラオス経済潤す 貿易黒字5割増目指す

【バンコク=岸本まりみ】東南アジアの小国ラオスに、中国の「一帯一路」構想下で建設された鉄道が開業してから100日が過ぎた。鉄道を使った貨物輸送がラオス経済を潤しており、同国政府は鉄路での中国向け輸出を拡大するなどで2022年に約1800億円の貿易黒字を目指す。ただタイなどへの延伸計画は思うように進んでおらず、先行きは不透明感も漂う。

中国国営の新華社通信は12日、21年12月の鉄道開通から100日を記念した記事を掲載した。記事によると、同日時点で中国ラオス鉄道を経由した中国への輸入は12万トン、輸出は7万トンを超えたという。

両国メディアの報道によると、鉄道を使った輸送は従来のトラック輸送に比べてコストを約20~40%削減できる。ラオスからは巨大市場である中国向けに天然ゴムや肥料、花などが輸出され、ラオスの1月の貿易収支は4100万ドルの黒字(約48億円、前年同月は1000万ドルの貿易赤字)となった。

ラオスにとって、この鉄道は新型コロナウイルス禍で傷んだ経済の立て直しに向けた頼みの綱だ。現地紙ビエンチャンタイムズによると、同国政府は鉄道を使った中国への輸出強化を通じ、22年の貿易黒字額を前年比55%増の15億5000万ドルへの引き上げを目指す。

足元で進行する燃料高などを受け、周辺国もラオスを経由した鉄道輸送に食指を動かす。タイ国鉄はメコン川をまたいでタイとラオスを結ぶ貨物列車の運行を1日4往復から段階的に増やし、26年に24往復にする計画を発表した。中国では新型コロナ対策強化で通関手続きが遅れており、ベトナムとの国境ではトラックが長蛇の列を作った。このため、ベトナムでもラオス経由の鉄道輸送に関心が高まる。

中国はこの鉄路について、最終的にはシンガポールまでの約3000キロメートルに区間を延ばす計画だ。約14億の人口を抱える中国市場につながるだけに期待は高まるが、タイなど延伸予定先では建設計画が遅れている。

タイ国鉄によれば、当初21年としていた第1フェーズのタイ東北部ナコンラチャシマ―首都バンコク間の完成は27年にずれ込む見込みだ。ラオス国境からナコンラチャシマ間の完成は29年となる見通し。バンコクからマレーシア国境を結ぶ区間についてはいまだ計画が具体化していない。

21年1月に中止が決まったマレーシアとシンガポールを結ぶ路線は、21年11月にマレーシア側から計画の再開が提案されたものの結論は出ていない。インドシナ半島を縦断する鉄道の行く末はまだ見えない。

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