/

タイ「王室ワクチン」に供給不足懸念 周辺国に影響も

タイ・バンコクの臨時会場でワクチンを接種する女性(14日)=AP

【バンコク=村松洋兵】タイで王室系製薬会社が製造する新型コロナウイルスワクチンの供給不足が懸念されている。現地生産するワクチンで国内供給の大半を賄う計画だが、首都バンコクでは14日からワクチン不足を理由に接種が一部延期された。東南アジア諸国などに輸出する契約もあり、影響が広がる可能性がある。

タイ王室系の製薬会社サイアム・バイオサイエンスは2020年11月に英アストラゼネカから技術供与を受け、ワクチンを現地生産する契約を結んだ。タイ政府が年内に調達を目指す1億回分のワクチンのうち、約6割をアストラゼネカが占める。現地生産の開始を受け、今月7日から全国で大規模接種を始めた。

しかし、バンコク都は14日、25カ所の臨時会場で15日から接種を一時中止すると発表した。複数の公立・私立病院も14~20日に予約していた人の接種を延期した。アサウィン都知事は14日に記者会見し「政府から割り当てられたワクチンをほぼ使い切った」と説明した。

サイアム社は過去にワクチン製造の経験がないことから、生産に問題が生じているとの見方も浮上している。記者会見に同席した政府の担当者は「供給不足は一時的なもので、すぐに解決される」として生産体制に問題はないと強調した。

サイアム社は東南アジア唯一のアストラゼネカの生産拠点で、周辺地域へのワクチン供給も担う。ロイター通信によると台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は11日、タイから調達する1000万回分の納入が遅れているとしたうえで、「タイは自国への供給を優先している」と述べた。フィリピンやマレーシアからも到着の遅れが指摘されている。

東南アジアはワクチン接種が遅れている。少なくとも1回接種した人の割合はタイで6%、フィリピンで4%にとどまる。足元で変異ウイルスの感染が広がっており、ワクチンの普及が遅れれば感染拡大が長引く恐れがある。

王室に対する不敬罪があるタイでは、サイアム社を巡る問題はセンシティブだ。同社の独占生産に疑義を呈した元野党党首は、1月に政府から不敬罪で告発された。不敬罪は有罪なら最長で禁錮15年が科される。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン