タイ政府系石油バンチャク、エクソンの同国事業を買収 - 日本経済新聞
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タイ政府系石油バンチャク、エクソンの同国事業を買収

【バンコク=村松洋兵】タイ政府系の石油精製・小売り大手バンチャク・コーポレーションは12日、米エクソンモービルのタイ法人エッソ・タイを買収すると発表した。石油小売りシェアで3位と4位の統合で2位に浮上する。首位の国営タイ石油公社(PTT)グループと合わせ、政府系による寡占が強まる。

バンチャクはエクソンから同社が保有するエッソ・タイの株式65.99%を取得することで合意した。他の株主が持つ株式も公開買い付けを実施する。規制当局の承認を条件に、2023年後半に買収完了を目指す。全株を取得した場合の買収総額は300億バーツ(約1200億円)規模を見込むが、取引完了時点の資産状況によって増減する。

取得する資産には1カ所の製油所と、780カ所の給油所が含まれる。統合により石油精製能力は約2.5倍に増え、給油所数は6割増の約2100カ所となる。石油小売りの国内シェアは合計29%となり、PTTオイル・アンド・リテール・ビジネス(PTTOR)の39%に次ぐ2位になる。従来の2位は民営のPTGエナジーだった。

バンチャクのチャイワット社長兼最高経営責任者(CEO)は「この投資はエネルギー安全保障を強化する一歩となる」とコメントした。エクソンは「資産売却を通じて低炭素の燃料や高機能製品への投資に集中する」との声明を出した。エクソンはタイで潤滑剤や化学製品の販売は継続する。

バンチャクはもともとPTTグループだったが、国営企業による石油事業の独占との批判を受けて、PTTが15年にバンチャクの全株式を売却した。だが、バンチャクは現在も政府系ファンドや財務省が大株主となっている。

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