タイのセントラル、5年で5200億円投資 商業施設や住宅

【バンコク=井上航介】タイの不動産開発大手セントラル・パタナは9日、2027年を最終年度とする5カ年計画を発表した。国内外での商業施設や住宅などの開発に合計1350億バーツ(約5200億円)を投じる。新型コロナウイルス関連の規制緩和を背景に回復基調に入った個人消費を取り込む。
同社は23〜27年にタイや東南アジアの周辺国で約200のプロジェクトを手がける計画。ショッピングモール50カ所に加え、住宅地90カ所やホテル37カ所を開発する。
国内では23年12月までにバンコクで複合商業施設「セントラル・ウエストビル」を開業すると明らかにした。敷地内にテラスを備えた半屋外型の設計で、新たな観光名所に育てたい考えだ。
セントラル・パタナは22〜26年に1200億バーツを投じる方針を示していたが、すでに国内飲食店などの営業規制や中国の厳しい新型コロナ感染対策は緩和された。タイの外国人観光客数は想定よりも早いペースで回復が見込まれており、投資規模を上積みすることにした。
ワンラヤー社長兼最高経営責任者(CEO)は投資計画について声明で「消費者にとってよりよい未来を創造するための新たな機会と捉えている」と説明。商業施設や住宅開発など複数のプロジェクトを手がけて相乗効果を高める考えを示した。