サイアム商業銀行、バンコクにブロックチェーン開発拠点

【バンコク=井上航介】タイ民間銀行大手のサイアム商業銀行はブロックチェーン(分散型台帳)の開発拠点をバンコクに設けた。起業家らの交流を促し、関連技術を生かした事業創出を支援する。暗号資産(仮想通貨)やメタバース(仮想空間)といった先端分野のサービス拡大につなげる。
11月末に開設した「DISTRICTX(ディストリクトエックス)」は、サイアム商銀のベンチャー投資部門が運営を手がける。技術者や起業家を集め、スタートアップの立ち上げを目指す6カ月間のプログラムを用意する。ブロックチェーン技術を生かした提携企業と自社との協業スペースも設ける。
銀行業界の競争が激しくなるなか、サイアム商銀は新たな収益の柱の育成を急いでいる。足元では料理宅配アプリ「ロビンフッド」の運営や、タイ通信最大手アドバンスト・インフォ・サービス(AIS)との提携も決めた。
同行はブロックチェーンについても、成長分野の一つと位置づけている。サイアム商銀は8月、仮想通貨交換所の国内最大手ビットカブの買収を断念した。ただ、その後も自前で交換所の運営を続けるなど、同分野のサービス拡大を進めている。
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