/

タイ、コンビニ自販機急拡大 時短営業や接触回避で

【バンコク=岸本まりみ】タイで、食品などを入れた「コンビニエンスストア自動販売機」が急拡大している。「自販機大国」の日本に肩を並べる勢いだ。タイ政府の新型コロナウイルス感染対策で、24時間営業だったコンビニも営業時間の短縮を求められるようになった。各社は時間を問わずに商品を販売でき、人の接触も避けられる自販機に商機を見いだしている。

タイの商業施設に設置されたセブンイレブンの自販機(6日、バンコク)

スナック菓子にお弁当、デザートに飲料――。バンコクの商業施設に置かれたセブンイレブンの自販機には常時40~50種類の商品が並んでいる。タッチパネルで欲しい商品を選び、現金やクレジットカード、QRコード決済などで支払いを済ませる。自販機の横にはストローやプラスチックのスプーンなども備え付けている。さながらコンビニの無人店のようだ。

首都バンコクの街角にコンビニ自販機が目立つようになった。先頭を走るのはコンビニ最大手のCPオールだ。タイ最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループ傘下でセブンイレブン約1万2千店舗を展開し、タイのコンビニ業界で圧倒的なシェアを誇る。

同社が初のコンビニ自販機を導入したのはコロナ前の2018年11月。病院内の飲食店が閉まる深夜や早朝にも商品を買いたいという医療従事者や患者らの声に応え、バンコクの私立病院内に設置した。

コロナ禍で人との接触を避ける動きが広がる中、CPオールはコンドミニアムやオフィスなどにコンビニ自販機の導入を加速。設置台数は足元で約2400台以上に拡大した。深夜のコンビニ営業が断続的に制限されていることも自販機へのシフトを促している。「コロナはテクノロジーが問題に対処できることを教えてくれた」。CPオールはこう振り返る。

同社は3月の投資家向け説明会で、21年に新規事業や物流などに約40億バーツ(140億円)を投じるとした。コンビニ自販機については「21年に1500台を設置する」と計画を語る。

コンビニ2位の「ファミリーマート」も後を追う。ファミマのタイ事業を完全子会社化した小売り最大手のセントラル・グループは20年4月にバンコク郊外にコンビニ自販機を投入し、現在は14台を展開する。

タイのファミリーマートの自販機

日本ではセブン―イレブン・ジャパンが食品など入れた「セブン自販機」を日本国内で現在約500カ所展開している。25年度末までに約2倍の1000カ所に増やす予定とする。

これまでタイは日本に比べ、自販機が根付いていなかった。現地紙バンコクポストによると、タイで自動販売機を展開するベンディング・プラスのウィラ・モーラコットカーン氏は「人口あたりの自販機数は日本の40分の1以下にすぎない」と語った。コンビニ自販機は成長余地が大きい市場とみているようだ。

タイは少子高齢化が急速に進んでおり、コロナ収束後も将来的に人手不足などが懸念される。足元ではマスクや手の消毒液、生搾りのオレンジジュースなど、様々な商品を扱う自販機が目立つようになってきた。人手不足やニーズの多様化を背景に自販機消費は今後さらに大きく膨らむ可能性を秘めている。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン