バンコク都市鉄道「レッドライン」開通 日本が建設支援

【バンコク=岸本まりみ】タイ国鉄は2日、バンコクの都市鉄道「レッドライン」の開通式典を開いた。バンコクのバンスー駅から北に約26キロメートル、西に約15キロメートル延びる新路線で、三菱重工業、日立製作所、住友商事の企業連合が2016年に共同受注していた。鉄道網の拡大で、都市部を中心に深刻化する交通渋滞や大気汚染などの問題を緩和する。
新路線は総延長約41キロメートルで、ターミナル駅であるバンスー駅からドンムアン空港などを経由してバンコク郊外ランシット駅までを結ぶ「ダークレッドライン」と、バンスー駅からタリンチャン駅までの「ライトレッドライン」から成る。ダークレッドラインは国際協力機構(JICA)が円借款で建設を支援した。
開通式典にはサックサヤーム運輸相らが出席したほか、プラユット首相もオンラインで参加した。今後3カ月間は無料で乗車できるようにする。11月の正式開通後は12~42バーツ(約40~140円)の運賃を徴収する予定だ。
レッドラインは三菱重工が信号や軌道、電力システムの設計と調達、日立が車両の設計・製造を引き受け、住商が全体をとりまとめた。日本政府は合計2680億円を低金利の円借款で供与している。