タイ、首都など活動制限を再強化 コロナ感染拡大

【バンコク=村松洋兵】タイ政府は2日、新型コロナウイルス対策の活動制限を再強化する方針を決めたと発表した。タイは国内感染を比較的抑制してきたが、2020年12月以降に再拡大している。プラユット首相の承認を得たうえで4日から導入する方向だ。
感染リスクが高い施設の閉鎖や営業時間の短縮、在宅勤務、県境をまたぐ移動の自粛などを求める。具体的な措置は各都県の知事の判断で定め、2月1日まで適用する。感染拡大が収まらなければ、夜間外出禁止や県境をまたぐ移動の禁止など制限を強化する方針だ。
首都バンコクはこれに先立つ1日、娯楽施設や学校の閉鎖を決めた。レストランでの店内飲食の禁止など制限の強化を検討している。
タイの2日時点の累計感染者数は前日比216人増え7379人となった。昨年12月にバンコクの隣県の水産市場で1000人超の集団感染が判明した後、各地に感染が広がっている。厳しい入国制限により国内の市中感染を抑え込んできたが、不法入国したミャンマー人労働者から感染が広がったとみられている。
政府は最初に国内で感染が広がった昨年3月に非常事態宣言を発令し、活動制限を導入。新規感染者の減少を受けて、同年7月には入国制限を除き制限をほぼ解除した。ただ、感染再拡大の懸念があるとして非常事態宣言は継続しており、制限の再強化は同宣言に基づいて実施する。
同宣言は集会の禁止も命じられるため、政権退陣や王室改革を求める反体制デモの封じ込めに利用しているとの見方もある。