英アストラゼネカのワクチン、接種は3カ月間隔 英政府

【ロンドン=佐竹実】英政府は30日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、2021年1月4日から接種を始めると表明した。高齢者などから順に2回接種するが、3カ月の間隔を開ける。変異種も含め感染が広がる中、より多くの人に1回目を接種する。
同ワクチンは30日、世界で初めて英国で承認された。ジョンソン首相は30日の記者会見で、「1回目の接種で最悪の症状は防げる。なるべく多くのリスクの高い人に1回目を接種する」と述べ、2回目の接種は3カ月後にするとした。アストラゼネカのワクチンの臨床試験(治験)では、1カ月おきに2回接種した場合の効果は70%だったが、3カ月間隔では80%だった。1回だけでも70%の効果を確認したという。
米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンは治験で95%の効果を確認しているが、超低温の保管が課題だ。アストラゼネカのワクチンは冷蔵庫で保管できるため、より多くの人に行き渡ることが期待されている。英政府は、サッカー場などを臨時スペースとして大量に接種する準備を進めている。
英国では新型コロナの変異種の感染が急速に広がっており、30日時点の新規感染者数は約5万人、死者数は981人と高水準が続いている。首都ロンドンなど多くの地域で都市封鎖(ロックダウン)が続いており、ワクチン普及に期待がかかっている。
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