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BIS報告書、世界経済に3シナリオ インフレ加速も

ガソリン価格などが値上がりし、インフレ圧力が強まっている(米カリフォルニア州)=ロイター

【ベルリン=石川潤】各国の中央銀行が参加する国際決済銀行(BIS)は29日公表した年次経済報告書で、世界経済の先行きについて3つのシナリオを示した。比較的順調に回復していく標準シナリオだけでなく、インフレが加速して金融環境が引き締まるシナリオも示し、リスク志向を強める市場参加者に警鐘を鳴らした。

報告書では不確実性は1年前ほど高くないが「霧は完全には晴れていない」と指摘した。パンデミックはまだ終わっておらず、ワクチンの普及にも国ごとに差がある。新たな流行の波が押し寄せる可能性も残っている。

さらに、将来を左右する要因として①財政政策の効果②今のところ急回復している個人消費の行方③潜在的な企業の信用損失の規模ーーを挙げた。財政政策では特に米国の巨額の経済対策がどのような経路でどれだけの影響を及ぼすかが焦点となる。

標準シナリオでは、パンデミックが次第に落ち着いていき、消費が拡大を続け、企業部門の損失も限定的となる。多くの国で物価上昇が進むが、中央銀行の目標を超えても一時的にとどまる。ただ、国によって状況は異なり、多くの途上国では回復が遅れがちになる。

2番目に挙げたのが、より力強い成長のもと、物価上昇が予想以上に進み、金融環境が引き締まってしまうシナリオだ。市場参加者は中銀による金融政策の引き締めを警戒するようになる。金融環境の悪化は、長くリスクを積極的にとってきた金融市場の参加者に大きな影響を与える可能性がある。

さらに3番目として、景気回復が頓挫してしまうシナリオを挙げた。パンデミックがうまく制御できなかった場合に、このシナリオが現実味を帯びる。

仮にインフレが予想以上に進み、金融環境が悪化した場合には、米国などの中央銀行は厳しい試練に直面するというのがBISの見方だ。中央銀行はさらに粘り強く緩和を続けるのか、政策方針を予想よりも早く変えるかの選択をせまられる。さらに、金融環境の引き締めの影響は国境を越え、新興国を不安定にする恐れもある。

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