NATO、ウクライナへの支援拡充 軍事・非軍事両面で

【ブリュッセル=竹内康雄】北大西洋条約機構(NATO)は29日開いた外相理事会で、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援を軍事・非軍事の両面で拡充することで合意した。ロシアのミサイル攻撃に対応できるよう防空システムを提供するのに加え、厳しい冬に備えて発電機や燃料などの供与を増やす方針だ。
外相理事会はルーマニアの首都ブカレストで開かれ、30日に閉幕する。29日発表された声明は「民間とエネルギーインフラに対する執拗で非良心的な攻撃を含むロシアの侵略は、ウクライナ国民から基本的なサービスを奪っている」と非難した。その上で政治的・経済的な支援を拡充することで一致した。
ストルテンベルグ事務総長は29日の記者会見でロシアが「この冬にウクライナを寒く、暗いままにしておくために残酷なミサイルやドローン(無人機)の攻撃をしている」と批判した。
ウクライナはNATOへの加盟を希望しており、ストルテンベルグ氏は「ウクライナが自らの道を選択する権利に対するNATOの支持を確認した」と明らかにした。だが「現時点の焦点はロシアの侵略からウクライナが自らを守れるように支援を提供することだ」とも述べ、ウクライナの加盟は直ちに議題にはならないとの見方を示した。
ロイター通信によると、会合に出席したウクライナのクレバ外相は「一言でいうと、(ミサイル防衛システムの)パトリオットと変圧器がウクライナに最も必要だ」と述べ、NATO加盟国に支援の拡充を呼びかけた。
ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)はNATOがウクライナにパトリオットを供与すれば「直ちに我々の正当な標的となるだろう」と警告したと、同通信が伝えた。
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