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アフリカ諸国、「差別的」渡航制限に反発 WHOも懸念

新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」を巡る渡航制限にアフリカ諸国が反発している。欧州やアジアなどでも広く感染例が見つかっているにもかかわらず、主にアフリカが規制対象となっていることや、効果が不透明な点を「差別的」「非科学的」としている。国連や世界保健機関(WHO)もアフリカの孤立に懸念を示している。

「差別的な措置だ」。南アフリカのファーラ保健相は29日、オミクロン型が確認されても渡航制限の対象になっていない国があると指摘した。これまで英国、ドイツ、スウェーデン、スペイン、カナダ、香港など広範囲で感染が見つかっているが、多くの国の渡航制限は南アなどアフリカ南部に集中している。

南半球のアフリカ南部は夏を迎えており、欧米がクリスマス休暇に入る12月は観光産業にとって稼ぎ時のため渡航制限の影響は大きい。南アの国際関係・協力省は声明で、いち早くウイルスを検知して報告したことを「罰しているようなもの」と反発した。

アフリカ南東部、マラウイのチャクウェラ大統領は28日、自身のフェイスブックで、一連の渡航制限を「アフロフォビア(アフリカ恐怖症)」だと批判。「対策はアフロフォビアではなく科学に基づかなくてはならない」と指摘した。アフリカ疾病管理予防センターは渡航制限が「意義のある結果につながらないことが明らかになっている」と主張している。

オミクロン型を初期に診察した南ア医師会のクッツェー会長はオミクロン型について「患者は極めて軽症で、入院した人は誰もいない」と英BBCの番組で指摘した。世界各国が必要以上にパニックに陥っているかを問われると、「現時点では明らかにそうだ」と答えた。

渡航制限は、WHOも非現実的だとして懐疑的だ。BBCによると、WHOアフリカ地域事務局長のモエティ氏は「世界の複数の地域でオミクロン型が検出されているいま、アフリカだけを対象とした渡航禁止は世界的な連帯を損なう」と指摘した。WHOは各国に「リスクをもとにした科学的な対応」を促している。

先進国が人口分以上のワクチンを確保する一方、分配の遅れるアフリカでは接種率が1割にも満たない問題もある。国連のグテレス事務総長は29日の声明で渡航制限による「アフリカの孤立」に懸念を示したうえ、「低い接種率が変異ウイルスの温床となっている」と指摘した。

南アのラマポーザ大統領は29日、セネガルで開かれた中国とアフリカ諸国の首脳会議に際し、「国の富によって病と健康が分かれてしまう世界の構造がある」と述べた。

(イスタンブール=木寺もも子、ロンドン=佐竹実、カイロ=久門武史)

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