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イラン核合意再建へ作業部会設置 過去の交渉を土台に

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【ウィーン=細川倫太郎】機能不全に陥っているイラン核合意の再建に向けた協議が29日、ウィーンで約5カ月ぶりに再開した。米国による制裁解除とイランによる核開発を制限することを検討する作業部会の設置で合意した。イランの前政権と欧米などが手がけてきた交渉を土台に、話し合いを進めていく方針も確認した。

4月に始まった再建協議は6回の開催を経て6月に中断した。今回の協議は8月にイランで反米のライシ政権が発足してから初めてで、核合意当事国の英仏独中ロとイランの代表が参加した。イランからは交渉責任者としてバゲリ外務次官が出席した。核合意を離脱した米国の代表は別の場所で待機し、欧州を介して間接的に参加した。

議長役を務める欧州連合(EU)欧州対外活動庁のモラ事務局次長は協議後、記者団に「すべての代表団がイランの立場に耳を傾け、イランにも核合意を復活させようという意志が明らかにある」と手応えを語った。イランは振り出しに戻るのではなく、これまでの成果を土台に「先に進めることを認めた」と説明した。ライシ政権は過去の協議を一方的に否定する姿勢は避け、ひとまず交渉のテーブルに着いた形だ。

作業部会は30日から議論を始める。まず米国の制裁解除について協議した後、イランの核開発の制限について話し合い、それらを全体会合に報告する見通し。モラ氏によると、最終的な期限は設けずに、交渉を続けていく方針だ。

交渉のハードルは高い。AFP通信によると、バゲリ氏は「米制裁解除を絶対的な優先事項とする必要性を強調した」と述べた。イランはさらに米国が二度と核合意から離脱しない保証も求めている。一方、米国はすべての制裁解除に応じるのには否定的だ。双方の溝は大きく、今後の協議は予断を許さない。

米国のトランプ前政権は2018年に一方的に核合意から離脱し、イランに対する経済制裁を復活させた。これに反発したイランは核合意の義務から逸脱して、核開発を加速させ、国際原子力機関(IAEA)による査察も大幅に制限した。核合意は形骸化した。再建協議では米国の核合意復帰とイランの核開発制限を実現できるかが焦点となっている。

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