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ドイツの物価上昇率、5%を突破 約30年ぶり水準

【ベルリン=石川潤】ドイツで物価上昇が一段と加速している。独連邦統計庁が29日発表した11月の消費者物価指数(CPI、速報値)は前年同月比で5.2%上昇し、1992年6月以来、約30年ぶりの上昇幅となった。欧州連合(EU)各国と比較可能な指数(HICP)でみると、上昇幅は6.0%とさらに高くなる。物価上昇圧力はエネルギー価格以外にも広がっている。

物価を押し上げているのは、前年同月比22.1%上昇したエネルギー価格だ。原油や天然ガスなどの価格が跳ね上がり、ガソリン価格や電気料金などが上昇した。さらに、1年前にコロナ対策で実施していた付加価値減税が20年末で打ち切りとなったことも、反動による物価高につながっている。

モノの価格全体では前年同月比7.9%、サービス価格も同2.8%上昇した。ドイツの製造業は半導体不足で自動車生産が落ち込むなど、サプライチェーン(供給網)の乱れの影響を強く受けている。こうした供給制約も、物価上昇を勢いづかせている。

インフレが進んでいるが、欧州中央銀行(ECB)は今のところ金融引き締めに慎重な構えだ。ドイツの公共放送、ZDFの29日朝の番組に出演した独出身のECB専務理事、シュナーベル氏は「金利を早期に引き上げることは誤りだ」と語った。

ECB内では物価上昇率が22年以降、再び低下に向かうとの見方が多い。エネルギー価格の上昇が一服し、ドイツの付加価値減税の反動などの特殊要因の効果もはげ落ちるためだ。効果が遅れて表れる金融引き締めに踏み切れば、経済・物価に悪影響を与えるとみている。

もっとも、ドイツでは賃上げの動きも少しずつ広がり始めている。物価が上がり続けることを前提に企業が値上げや賃上げを進めるようになれば、物価上昇の勢いがECBの想定を超えて強まるリスクもある。金融政策のかじ取りは難易度を増しつつある。

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