/

IEA、中国の排出ゼロ目標「前倒しも可能」

【ブリュッセル=竹内康雄】国際エネルギー機関(IEA)は29日、中国が温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を分析した報告書を公表した。再生可能エネルギーの普及や石炭消費の削減を加速すれば、現行目標を前倒しできる可能性が増すとの見解を示した。

IEAによると、中国は世界の二酸化炭素(CO2)の排出の3分の1を占める最大の排出国だ。中国は2030年までにCO2の排出量をピークアウトさせ、60年までに実質ゼロにする目標を掲げる。

報告書は目標を達成するには、エネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの拡大、石炭利用の削減が重要と主張した。足元では発電量の6割以上を石炭が占めている。風力など再生エネが60年までに20年の7倍になり、中国の電力の約8割を占めるようになる。

産業分野からの排出は95%減り、次世代エネルギーの水素やCO2の回収・貯留が重要な役割を果たす。必要な投資額は30年に年6400億ドル、60年に9千億ドルになるが、報告書は「中国の財政的な能力の範囲内だ」と指摘した。

報告書はエネルギー移行を加速するシナリオも検討した。政策の実行を早めることで、30年にエネルギー部門のCO2を足元から2割減らすことが可能と説明。IEAのビロル事務局長は声明で「エネルギー移行を加速すれば、25年以降は大幅に排出が減り、60年よりも前に実質ゼロを達成する可能性が開ける」と述べた。

10~11月に英グラスゴーで開く第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を控え、先進国を中心に中国など新興国にさらなる削減努力を求める動きが広がっている。日米欧はすでに30年、50年ともに踏み込んだ目標を公表済みだが、先進国の排出量は世界の4割程度を占めるにすぎない。地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」の目標を達成するには新興国の取り組みは欠かせない。先進国は中国などへの圧力を一段と強める構えだ。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン