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英、1月末から香港市民にビザ発給へ 32万人移住予測も

反政府的な活動への締め付けが強まる香港では英国への移住を希望する市民が増えている=AP

【ロンドン=中島裕介】英政府は1月31日から香港国家安全維持法への抗議として、香港市民向けの英国市民権取得につながる特別ビザ(査証)の申請受付を開始する。香港では政治活動や言論への統制が強まっており、移住を本気で検討する市民は増えている。英政府は今後5年間で約26万~32万人の香港市民が英国に移る可能性があるとみている。

香港の宗主国だった英国は、香港に高度な自治を認める「一国二制度」を脅かすとして香港国安法の導入に強く反対してきた。2020年6月末の同法の施行を受け、英政府は即座に対抗措置として、市民権付与も含めて香港を脱出したい市民を受け入れる方針を正式に表明した。

特別ビザの対象になるのは1997年の香港返還前に生まれた香港市民を対象にした「英国海外市民(BNO)旅券」の保持者とその扶養親族ら。特別ビザで英国での就学や就職が可能で、5年間滞在すれば永住権が得られる。その1年後には英国の市民権も取得できる仕組みだ。

BNO旅券の保持者と申請する資格がある住民を合わせると、香港の人口の約4割にあたる290万人ほどが対象になる。香港の英国海外市民には英国からの領事サービスを受ける権利はあるが、英国民と同等の市民権は与えられていなかった。

英政府が2020年10月下旬にまとめた試算によると、BNO旅券の保持者と扶養家族合わせて最初の1年で約12万~15万人がビザを申請すると予測。5年後には合計で約26万~32万人に達するとみている。

香港国安法の施行から半年間で40人が同法違反で逮捕され、民主派に影響力を持つ香港紙創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏ら著名な活動家が起訴されるなど反政府的な活動への締め付けは厳しくなっている。民主派の主要メンバー、羅冠聡(ネイサン・ロー)氏は同法施行直後に英国に渡り、中国への抗議活動を続ける意欲を示している。今後、特別ビザの発給により、英国が香港問題の抗議活動の前線基地になる可能性もある。

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