ロシア、バフムト近郊の集落「制圧」 ウクライナは否定

【イスタンブール=木寺もも子】ロシアの軍事会社ワグネルは29日、激戦が続く東部ドネツク州の要衝バフムト近郊の集落、ブラゴダトノエを制圧したとSNS(交流サイト)で明らかにした。ワグネルを中心としたロシアの東部攻勢が続いている可能性がある。ウクライナ側は同集落への攻撃を撃退したとしている。
バフムト近郊では今月、ロシア軍やワグネルが塩鉱山の町ソレダルを制圧し、ウクライナ軍も撤退の事実を認めた。ゼレンスキー大統領は29日夜のビデオ演説で、バフムトなどの東部戦線が「とても厳しい」状況だと述べ、迅速な武器支援を求めた。
ロシアはワグネルの精鋭を投入するなどして、交通の要衝であるバフムトの掌握を急いでいる。全体の戦況には大きく影響しないとの見方もあるが、国内に「戦果」をみせる狙いがあるもようだ。
バフムト近郊での激戦は既に数カ月間に及んでいる。米メディアによると、米政府などはウクライナに対し、バフムトから撤退して南部戦線に注力するよう促しているという。
南部のヘルソン市当局によると、ロシア軍の砲撃で29日、3人が死亡した。病院や学校、郵便局、バス停などの民間施設が被害を受けたという。ヘルソンは2022年11月にウクライナ軍が奪還したが、ロシア側からの攻撃は続いている。
一方、ロシア国防省は28日、占領しているウクライナ東部ルガンスク州ノボアイダルの病院がウクライナ軍の攻撃を受け、14人が死亡したと発表した。米国がウクライナに供与した高機動ロケット砲システム「ハイマース」が使われたとしている。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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