/

英領北アイルランド首相が辞任 国境問題に影響も

【ロンドン=中島裕介】英領北アイルランド自治政府のフォスター首相は28日、6月末に辞任すると発表した。親英国派の地域政党の民主統一党(DUP)の党首も5月末に退く。同党内では英国の欧州連合(EU)離脱に伴って北アイルランドに導入された通商ルールに不満の声が高まっていた。住民の暴動が相次ぐなど悪化していた地域の治安が、さらに不安定になる恐れも出てきた。

フォスター氏は28日の辞任声明で親英国派と親アイルランド派に割れる北アイルランドの情勢を指摘し「お互いに寛大になり、共に暮らすことを学ばなくてはならない」と訴えた。辞任理由は明言しなかった。DUPの中で穏健派とされていたフォスター氏の退場により、親英国派の動きが過激になる可能性がある。

英国のEUとの離脱協定では過去の国境や宗派を巡る紛争の再発を防ぐため、北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間に物理的な国境を置かないことを決めた。代わりに英本土と北アイルランドの間で通関手続きを行うなど英国内に「経済上の国境」を敷いた。このため親英国派は英本土との関係が薄れると反発し、3月下旬から親英国派住民によるものとみられる暴動が相次いでいた。

英・EUの離脱協定は2020年1月末に発効済みのため、EUが通商ルールの見直しに応じる可能性は低い。後任の首相がルールの抜本的な修正を求め続けて親英国派の住民を刺激すれば、ジョンソン英政権は治安の悪化に対応する必要が出てくる。

同地域の自治政府は、親英国派のプロテスタント系住民と親アイルランドのカトリック系住民による紛争があった歴史を踏まえ、両派が権限を分け合っている。フォスター氏は2020年1月に首相に就任し、副首相には親アイルランド強硬派シン・フェイン党のオニール氏が就いていた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン