スコットランド独立派 住民投票、23年10月実施目指す
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【エルマウ(独南部)=中島裕介】英北部スコットランド行政府(地方政府)のスタージョン首相は28日、地域の独立を目指す住民投票を2023年10月19日に実施する計画を発表した。正当な住民投票の実施には中央政府の承認が必要なため、スタージョン氏はジョンソン英首相に書簡を送る方針も示した。ジョンソン政権は反対しており、計画通り実現するかは不透明だ。
住民投票が実施されれば、14年に続き2度目になる。このときは45%対55%で「独立」が敗れた。足元のスコットランドでの世論調査は「残留」が「独立」を数ポイント上回っている。
スタージョン氏は28日の演説で与党・保守党が「私たちの意に反して、スコットランドを欧州連合(EU)から引き離した」と住民投票の再実施の必要性を訴えた。一方で投票は合法的に行われる必要があるとの見解も表明した。スタージョン氏はジョンソン政権の承認なしに正当な独立を問う住民投票を行えるか、スコットランドの法務長官を通じて英最高裁に申し立てる方針を示した。
スタージョン氏は裁判所の判断やジョンソン政権の抵抗で住民投票が実施できない場合には、次期総選挙で争点化して事実上の投票とする考えを強調した。
スコットランドでは21年5月の地方議会選で、独立を目指すスコットランド民族党など2政党が合計で過半数の議席を獲得した。これまで優先していた新型コロナウイルス対応の重要度が低下したこともあり、今月14日にはスタージョン氏が独立に向けたキャンペーンを再開すると発表していた。
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