プーチン大統領、新START履行停止の法律に署名

ロシアのプーチン大統領は28日、ロシアと米国の新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を定めた法律に署名した。米国をけん制する狙いとみられる。
発効は同日付。プーチン氏は21日の年次教書演説で新STARTの履行停止を表明した。22日にはロシアの上下院が履行停止に関する法案を承認していた。
新STARTについて、プーチン氏は履行を停止するものの条約からの離脱は否定した。ロシア外務省は21日、新STARTで定める戦略核弾頭の数量制限を今後も厳格に順守すると発表した。同省は米国が長年にわたって条約に実質的に違反してきたと主張し、米側が誠実に条約を順守する政治的意思を示すことで「停止するという決定は覆すことができる」と言及した。
新STARTは米ロ両国で唯一の核軍備管理条約。2021年に5年間の延長で合意し、その間に新たな枠組みの条約を模索することになっていた。