「ワクチン証明書で混乱」 欧州の空港や航空会社が警告

【フランクフルト=深尾幸生】欧州の空港や航空会社の業界団体が7月1日から運用が始まる欧州連合(EU)の「デジタルCOVID証明書」について「空港が混乱に陥るおそれがある」と警告していることが28日わかった。ロイター通信が報じた。同証明書は欧州の往来再開の起爆剤と期待されるが、適切に運用されなければ空港に長蛇の列ができかねないとしている。
ロイターによると、空港管理者で構成される国際空港評議会(ACI)や航空大手からなる国際航空運送協会(IATA)など4団体が共同で書簡をEU各国の政府に送った。書簡では「今後旅客数が増えるにつれ、欧州の空港がカオス(大混乱)に陥るリスクは現実のものになる」と述べた。
デジタル証明書は新型コロナウイルスのワクチン接種を完了していることや感染から回復していることなどを示すもので、7月1日からEU加盟国やスイスなどで共通に有効になる。QRコードで表示されるこの証明書を示すことで、旅行者は自主隔離や検査を免除される。
書簡によると夏のピークシーズンの大行列や遅延を避けるためには、乗客が空港に到着する前に証明書を遠隔で処理するシステムが必要になるとしている。

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