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シェルCEO、会社分割に反論 脱炭素へ「一貫した戦略」

米投資ファンドの意見表明に対し

【ロンドン=篠崎健太】英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルのベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は28日の決算記者会見で、米投資ファンドが低炭素分野を切り出す会社分割を求めたことについて「(低炭素エネルギーへの転換は)今ある資産、ビジネスモデル、顧客の集積によってできる」と反論した。温暖化ガス排出を実質ゼロとする脱炭素に向け「非常に一貫した戦略を持っている」と語り、分割は非現実的との考えを示した。

シェルをめぐっては27日、米国を代表するアクティビスト(物言う株主)のサード・ポイントが株式を取得し、対話に乗り出したことが明らかになった。液化天然ガス(LNG)や再生可能エネルギー、マーケティング部門を分離し、気候変動問題で逆風が強まっている石油・ガスの生産など従来事業と別会社にすべきだと主張している。

シェルのファン・ブールデン氏は「エネルギー転換の大部分はレガシー(従来)事業の資金で賄われていく」と語った。「いくつかの企業に分割されれば再現は非常に困難だ」と訴え、既存の長期戦略には株主総会で9割近い支持も得られていると付け加えた。

ジェシカ・ウール最高財務責任者(CFO)も「エネルギー転換への真の解決策として我々の富、資源、人材を活用していく」と述べ、会社分割に否定的な立場を強調した。

同社は28日、気候変動対策の追加目標を表明した。自社の操業によって生じる温暖化ガスの純排出量を「2030年までに16年比で50%減らす」とした。50年までに供給網全体で実質ゼロとする計画の達成へ、途中段階の約束を強めた。

2月にはエネルギー1単位の純排出量について、供給網全体で30年に16年比で20%減、35年に同45%減とする目標を発表済み。新たに絶対量での削減目標も加えた。

温暖化ガスを多く出す化石燃料を扱う石油メジャーに対して、投資家や社会からエネルギー転換の加速要求が強まっている。5月にはオランダ・ハーグの地方裁判所がシェルに、二酸化炭素(CO2)の純排出量を30年までに19年比45%減らすよう命じる判決を出していた。

目標達成に向けて低炭素分野の移行を急ぐ。石油の生産量は年1~2%のペースで中長期的に減らす一方、風力や太陽光といった再生可能エネルギーの比重を高める。植物由来のバイオ燃料、CO2の回収・貯留(CCS)なども推進する構えだ。ウールCFOは追加の削減目標について「実質ゼロ排出を達成するための新たな一歩だ」と述べた。

28日発表した21年7~9月期決算は、最終損益が4億4700万ドル(約510億円)の赤字になった。前年同期は4億8900万ドルの黒字だった。資源価格の大幅高で売上高は前年同期比36%増と好調だったが、ヘッジ取引に伴う持ち高の評価損がかさみ、会計上の利益が落ち込んだ。

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