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ユーロ圏GDP、7~9月 年率9.1%増 ワクチン奏功

(更新)

【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)統計局は29日、2021年7~9月のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)が速報値で前期比2.2%増になったと発表した。ワクチンの普及などで経済の正常化が進み、2四半期連続の高い伸びとなった。ただ、足元ではサプライチェーン(供給網)の乱れで回復にブレーキがかかりつつある。勢いづくインフレも先行きの不安材料だ。

年率換算では9.1%の成長となった。欧州では厳しいロックダウン(都市封鎖)やワクチン普及で新型コロナウイルスの感染者が急減した春以降、個人消費の力強い回復が経済を押し上げてきた。製造業だけでなくサービス業でも景況感の改善が進んだ。8月以降は供給不足や新型コロナの再拡大で不透明感が強まったが、7~9月は4~6月を上回る成長となった。

国別ではドイツが前期比1.8%増、フランスが3.0%増、イタリアが2.6%増だった。ユーロ圏以外の加盟国も含めたEU全体では2.1%増だった。国によって強弱はあるものの、欧州全体で回復が進んだ。

問題は、供給不足やエネルギー価格の上昇が進むなかで10~12月以降も成長を維持できるかだ。需要の回復に生産や物流が追いつかない供給制約が深刻で、ユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)は10月まで3カ月連続で悪化した。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は28日の記者会見で、景気は力強く回復しているが「勢いはある程度和らいでいる」と語った。

欧州最大の経済大国であるドイツでも「企業心理は曇り、先行きへの懐疑的な見方が強まっている」(独Ifo経済研究所のクレメンス・フュースト所長)。ドイツの9月の乗用車生産は前年同月比44%減(速報値)となった。半導体不足で独フォルクスワーゲンなど各社は断続的な減産を強いられている。

インフレも加速している。EU統計局が29日発表した10月の消費者物価上昇率(前年同月比、速報値)は4.1%で約13年ぶりの高水準となった。9月の3.4%から大きく上昇した。原油や天然ガスの高騰が続くなか、エネルギー価格が23.5%上昇した。

エネルギーや食品などを除いたコアの上昇率も2.1%で、ECBの物価目標(2%)を上回った。物価上昇率は年末にかけてさらに高まる見通しだ。ECBはインフレは22年中に和らぐとみているが、賃上げが広がりを欠くなかで物価上昇だけが進めば消費などに悪影響が及ぶ可能性がある。

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