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スエズ運河、大型コンテナ船 離礁作業続く NY原油4%高

(更新)
スエズ運河で座礁した大型コンテナ船「エバーギブン」(26日)=ロイター

座礁した大型コンテナ船が航路を塞いだエジプトのスエズ運河では、27日も復旧を目指す作業が続いた。原油輸送の混乱が長引くとの懸念から、ニューヨーク市場の原油先物は26日、1バレル60ドル台と前日比4%上昇した。海運の大動脈の遮断は5日目に入り、エネルギー市場を揺さぶっている。

座礁した「エバーギブン」を所有する正栄汽船(愛媛県今治市)によると、日本時間27日夜に座礁地点から離れる「離礁」に向けた作業が始まった。満潮で水位が上がるタイミングを狙うが、重い船体を動かす作業の難航を予想する声もある。

エバーギブンの技術管理を担うベルンハルト・シュルテ・シップマネージメントは26日、座礁船を動かすためのタグボート2隻が28日までに増援に来るとの声明を出した。「船首左舷の周りの砂や泥を除去することに集中している」と説明した。エジプトのスエズ運河庁は、1万5千~2万立方メートルの土砂を取り除く必要があるとの見方を示している。

サキ米大統領報道官は26日、離礁作業への支援を申し出たと明らかにした。CNNテレビは、米海軍が専門家チームを現地に派遣する計画だと報じた。既に日本とオランダのサルベージ会社が離礁作業を請け負っている。長くエジプトとの関係が冷え込んでいたトルコも、タグボートの派遣を申し出た。

運河の通航再開を待って足止めされた船は200隻以上にのぼる。南アフリカの喜望峰を大回りするルートへの切り替えを検討する動きが広がっている。

原油の輸送にも追加コストがかかるとの見方から、26日の原油先物市場では買いが優勢になった。スエズ運河の遮断が長期化すると、欧州に向かうはずだった中東産の原油や液化天然ガス(LNG)の動きが止まる。欧州で供給不足となり、原油の国際指標となる北海ブレント先物価格が上昇する可能性がある。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は「国際的な原油相場の上昇で日本企業の負担が増える。喜望峰を回るとなると物流コストも上がり景気の下押し圧力になる」と話す。

欧州では新型コロナウイルス対策で都市封鎖を再び強化する動きがあるうえ、春は暖房向けの燃料需要も落ち着く。原油価格が上がり続けるかには慎重な見方が多い。

スエズ運河の遮断が長びくと、アジアで供給が潤沢になる可能性もある。中東産原油やLNGのスポット品を欧州で売ろうとしていたトレーダーらがアジアに振り向けようと動く可能性があるためだ。

野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「アジアの荷余りでドバイ原油やLNGのスポット価格が下落する。日本の一部の会社にとってはコスト削減につながる」とみる。

(カイロ=久門武史、小野嘉伸、山本裕二)

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