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スウェーデン、「核のごみ」最終処分場計画を承認

世界で2例目

(更新)

【ブリュッセル=竹内康雄】スウェーデン政府は27日、原子力発電所から出る「核のごみ」の最終処分場の建設計画を承認した。2030年代初頭にも実際の処分が始まる見通しだ。処分地を決めたのはフィンランドに続き、世界で2例目となる。

建設が始まるのは23年以降とみられ、実施主体のSKBは30年代初頭にも稼働させたい考えだ。処分は「地層処分」と呼ばれる手法をとる。同国南部のオスカーシャムにつくる施設で使用済み核燃料を銅製の容器に入れ、北に約400㌔㍍離れたフォルスマルクの約500㍍地下の施設に、放射能が無害化される10万年単位で保管する。

使用済み燃料は最終的に1万2000トンの保管を想定する。ストランドハル気候・環境相は声明で「環境と人々両方に安全をもたらす処分場になる」と表明した。

スウェーデンの一歩先を行くのがフィンランドだ。15年に政府の認可をえて、同国南西部で建設中だ。電力会社でつくる運営主体のポシバは21年12月、24年からの操業を政府に申請した。2120年代までに約6500トンの使用済み核燃料の保管作業を終える計画だ。

スウェーデンもフィンランドも発電量の3割前後をそれぞれ原子力に依存する。スウェーデンでは最終処分に向けて1970年代から地質の調査を始め、90年代には候補地の選定を開始した。2020年10月には地元自治体が受け入れを議決していた。

スウェーデンの世論調査では8割弱が原子力を支持している。原子力を世論が受け入れているのは、政府と地元自治体、企業が協力して、地元住民への説明会を定期的に開いたり、見学用の施設をつくったりして地元の理解を深めてきたことが大きい。高い独立性を持つ安全審査機関を設けているほか、小さな異常でも政府に報告され、公表される仕組みもある。地震がほとんどないこともある。

両国は使用済み燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理をせず、そのまま最終処分する。一方、日本やフランスなどは再処理してウランなどを再利用し、残りを高レベル放射性廃棄物として処分する。

原発を保有する以上、使用済み核燃料は出続けるため、核のごみの問題は避けて通れない。だが政府による意思決定がなされたのは北欧の小国2カ国だけだ。処分地の具体的な地名があがるのはこの2カ国のほかはフランスくらい。日本を含む各国とも対応が遅れているのが現状だ。

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