ウクライナ大統領「ロシア、イラン製無人機400機使用」

【リヤド=福冨隼太郎】ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、ロシア軍がウクライナで約400機のイラン製ドローン(無人機)を民間人への攻撃に使用したとの認識を示した。このうち「60~70%を撃ち落とすことに成功している」と主張した。ウクライナメディアなどが伝えた。
首都キーウ(キエフ)で西アフリカ・ギニアビサウのエンバロ大統領との首脳会談後、記者会見で語った。ゼレンスキー氏はドローンの撃墜率について「悪い結果ではない」と述べた。
ウクライナや欧米はロシア軍が自爆型のイラン製ドローンを使っているとの見方を示している。ウクライナ侵攻が長期化し、ロシア製の高精度兵器が不足していることから代替として投入されているもようだ。イラン側は同国製ドローンがウクライナで使われているとの指摘を「根拠がない」(アブドラヒアン外相)などと否定している。

ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキー氏はイランと敵対するイスラエルとの協力強化についても期待を示した。記者会見で「ロシアの侵攻当初からイスラエルとの協力を期待していた」と指摘。「イスラエルは戦争や悲劇が何かを詳しく知っており、ウクライナ人を支援している」などと語った。
ゼレンスキー氏は同日夜の演説で、東部ドネツク州や同ルガンスク州でロシア軍との戦闘が続いていると明らかにした。ゼレンスキー氏は撃墜したロシア軍のヘリコプターがこれまでに250機に迫っていると指摘。「ロシアはこうした損失を回復することはできないだろう」と述べた。
一方、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部ヘルソン州のロシア側「行政府」のトップは26日、州内のドニエプル川西岸から7万人以上が退避したと明らかにした。ロシアのタス通信などが伝えた。ヘルソン州ではウクライナ軍が反攻を強めている。
【関連記事】

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
■戦況
■マーケット・金融への影響
■ビジネスへの影響