欧州委、ブルガリアとスロバキア提訴 再エネ法整備遅れ

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は26日、EUで成立した再生可能エネルギー関連の法律を国内法に置き換えるのを怠っているとして、ブルガリアとスロバキアをEUの司法裁判所に提訴すると発表した。
EUの法律の一種である「指令」はEUレベルで成立した後、定められた目的達成のための国内法を加盟国が整備する必要がある。再生エネ指令は2021年6月までの法令整備を求めていた。
欧州委は声明で「温暖化ガスの排出、エネルギーへの依存、価格高騰を抑えるために法的措置を講じることにした」と説明。再生エネは、EUが進める欧州グリーンディールの重要な要素だとして、各国に遅滞なく対応するよう求めた。司法裁判所は財政的な制裁を科すのを認めるかどうか判断する。
このほか、アイルランドは水資源の保護に関する指令を、ギリシャやイタリア、ポルトガルなどは外来種への対応を定めた指令を、それぞれ国内法に置き換えていないとして提訴した。