フィリップ・モリス、英でたばこ販売撤退へ 10年以内に

【ロンドン=佐竹実】米たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は25日、英国で10年以内にたばこの販売をやめることを明らかにした。PMIは日本でも10年以内にたばこの販売から撤退して加熱式の「IQOS(アイコス)」などに注力する予定で、世界で脱たばこを進める。
ヤチェック・オルザック最高経営責任者(CEO)が英紙メール・オン・サンデーに答えた。
オルザックCEOは「英国では最長で今後10年の間に、喫煙の問題を解決できる」と述べた。マールボロブランドについても「消滅する。消費者にとっての第1の選択肢は禁煙で、もしできない場合はより良い代替品にかえることだ」として、加熱式たばこなどへの切り替えを求めた。
英政府は、2030年までに人口に占める喫煙者の割合を5%まで減らす「スモーク・フリー」を掲げている。様々な面で健康志向が高まる中、喫煙者に対する視線は厳しさを増している。
PMIは、たばこに依存しない事業構造への転換を進めている。加熱式たばこに力を入れるほか、新型コロナウイルスのワクチン開発などに取り組むカナダのバイオ企業に出資するなど、ライフサイエンスの分野にも事業の幅を広げている。