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EU司法裁、インテルへの制裁「無効」 独禁法巡り再審理

欧州の競争政策に影響も

(更新)

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)司法裁判所の一般裁判所(ルクセンブルク)は26日、欧州委員会が2009年にEU競争法(独占禁止法)違反で米インテルに巨額の制裁金を科した判断を無効とする判決を示した。欧州委の競争政策に影響を与える可能性がある。

欧州委は09年、インテルが02~07年にかけて自社製のパソコン向けのCPU(中央演算処理装置)の販売を巡って市場の独占的な地位を利用して公正な競争を損ねたと判断し、10億6000万ユーロ(約1400億円)の制裁金を科すことを決めた。大手パソコンメーカーに自社製CPUの採用を迫ったり、小売店に自社CPU搭載のパソコン以外は売らないよう求めたりする見返りにリベートを支払っていたという。

インテルは欧州委の判断を不服としてEU司法裁に訴え、14年には一般裁が欧州委の判断を支持する判決を出した。インテルは上訴し、最高裁にあたる欧州司法裁が17年、欧州委の決定が正当だったか再審理するよう一般裁に指示していた。

判決文は「欧州委の分析は不完全だ」と指摘した。リベートが反競争的かどうかを立証できていないという。欧州委は判決に不服ならば欧州司法裁に上訴ができる。ベステアー上級副委員長(競争政策担当)は26日の記者会見で「判決を精査する必要がある」と語った。

今回の判決は、欧州委の立証に高いハードルを課した形といえ、今後の競争政策に影響が出る可能性がある。欧州委は、欧州市場を席巻する巨大米企業に強い姿勢でのぞんでおり、とりわけアマゾン・ドット・コムやアルファベット傘下のグーグルなどIT関連企業に巨額の制裁金を科してきた。米側からはEUの姿勢を批判する声もあがっている。EUは欧州発のチャンピオン企業の誕生を後押ししており、米企業が一段と存在感を増すことに歯止めをかけたいとの思いもある。

このところ欧州委の判断が司法によって覆される事例が続いている。20年には一般裁が、アイルランド政府が米アップルに与えた130億ユーロ規模の税優遇は違法として欧州委が同国に追徴課税するよう求めた指示を無効と判断。21年にルクセンブルクの税優遇制度を巡り、一般裁が欧州委によるアマゾンへの追徴課税の指示を無効とした。

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