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ロシア徴兵事務所で放火相次ぐ 動員に抗議か、拘束多数

2300人超

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ロシアで、プーチン大統領が21日に発令した部分動員令に対する抗議が広がっている。独立系メディアによると各地の徴兵事務所や行政機関への放火が相次いだ。抗議デモは大都市部を中心に広がり、日本時間26日午後までで2300人以上が拘束された。プーチン政権の安定が揺さぶられる可能性がある。

ロシアの独立系インターネットメディア、メドゥーザによるとロシア国内10カ所以上の徴兵事務所で放火があった。市庁舎などに火炎瓶が投げ込まれた。

サンクトペテルブルクの徴兵事務所では21日、事務室が延焼した。ハバロフスクの事務所では23日に放火があり、2つの事務所が燃えたが負傷者はいなかった。カリーニングラードでも25日夜に火炎瓶が投げ込まれたという。西部トリアッティで22日に市庁舎のドアなどが燃えたが、すぐに消し止められたもようだ。

ロシア南部のダゲスタン共和国では動員への抗議で警官隊との衝突も発生した。独立系メディアの報道などによると、25日に同共和国のマハチカラで抗議デモが発生、若者や子供連れの母親らが参加し「動員反対」「戦争反対」などと訴えた。警官が市民に暴行したほか、催涙スプレーなども使用、参加者を拘束したという。

同共和国の別の地域でも動員反対の集会が開かれた。約100人が抗議デモに参加し道路を封鎖、警官隊と衝突した。警官はデモを鎮圧するため、空に向けて発砲したとしている。

独立系の人権団体「OVDインフォ」によると21日以降、日本時間の26日午後までに2300人以上が治安当局によって拘束された。特にモスクワやサンクトペテルブルクなどロシアの都市部での拘束者が目立っており、首都のモスクワが約40%、サンクトペテルブルクが27%を占めている。抗議行動は社会団体「ベスナ(春)」が参加を呼びかけた。

ロシアではウクライナへの軍事侵攻が始まった2月24日直後から3月にかけて、各地で抗議行動が続いた。その後は治安当局の厳しい取り締まりや、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にした大規模集会の禁止措置などで抑え込まれていた。

部分動員令の対象は有事の兵役義務がある国民すべてではなく特別な軍事技術・経験などを持つ予備役で、約30万人を動員するとしている。だが、ロシアの独立系メディアは実際には120万人の動員を目指しているとの情報があると報道し、ロシア国民に動揺が広がった。今回の動員令はこれまで動員に無関係と考えていた若者らにも広がる可能性があるとみられており、ロシア市民の懸念が拡大している。

21日以降、査証(ビザ)の不要な中東や旧ソ連の国々行きの航空券には購入が殺到し、売り切れやチケット代の高騰が続いている。前週末にかけては陸路でフィンランドやカザフスタンなどへの出国を目指す動きが目立ち、国境周辺の道路が渋滞した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日夜のビデオ声明で「動員から逃げ出す方が侵略戦争に参加した責任を法廷で負うよりましだ」とも指摘、ロシア市民に招集拒否を呼びかけた。

ウクライナ東南部4州の親ロシア派支配地域ではロシアへの編入を問う住民投票を27日まで実施している。事前調査によると賛成多数は確実な情勢で、タス通信によると9月末までにロシアへの編入続きが進むとみられている。ロシアの領土になれば、領土防衛の名目でロシアがウクライナに核兵器を使用する根拠になるとの見方も出ている。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は25日のテレビインタビューで、ロシアがウクライナで核兵器使用に踏み切った場合、「ロシアに破滅的な結果をもたらす」と警告したと明らかにした。米国は同盟・友好国と共に「断固として対応する」とも語り、ロシアの動きへの警戒感が強まっている。

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