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ロシア、焦り映す軍事目標修正 東部制圧を優先

【ワルシャワ=木寺もも子、中村亮】ウクライナ侵攻で苦戦を強いられているロシアが軍事戦略を変更したとの見方が浮上している。ロシア軍幹部が25日、ウクライナ東部2州の制圧を優先する姿勢を示したためだ。ウクライナの首都キエフを早期に制圧し、親欧米派のゼレンスキー大統領を退陣させる当初のシナリオの変更を迫られている可能性がある。

ルドスコイ第1参謀次長が侵攻開始からの1カ月を総括し、ウクライナ軍の戦闘能力を弱体化したと強調した。今後は親ロ派の支配地域を含む、東部のドネツク、ルガンスク2州全域の「解放」に注力すると説明した。

この談話からはロシア軍の窮状が透ける。

ロシア軍は2月24日、ウクライナ東・北・南部の3方向から侵攻を開始。プーチン大統領は「ウクライナの非軍事化と非ナチ化を目指す」と述べ、ウクライナのゼレンスキー大統領を退陣させ、キエフを含む主要地域でかいらい政権の樹立を目指していた。

1カ月後の3月25日、米国防総省高官は「ロシア軍がキエフに対する地上侵攻を少なくとも今は停止したように見える」と指摘した。一部の部隊はキエフから後退を強いられている。いったん制圧した南部ヘルソンはウクライナ軍の奪還作戦によって「再び係争中の地域になった」という。

米ランド研究所のウィリアムズ上級国際防衛政策研究員は「一部の戦力を東部に振り向け、クリミア半島とロシア西部の間を(勢力圏で)結ぼうとするのではないか」との見方を示す。

東部地域を完全掌握することで国内向けに戦果を強調し、ロシア軍の軍事作戦の正当性を主張する意図がありそうだ。

しかし、ウクライナ軍の想定外の反撃など、ロシア側の誤算もあり、戦闘は長期化が予想される。米欧は国際決済網からのロシア銀の排除や中央銀行の資産凍結などの対ロシア制裁を発動している。

戦況が膠着状態に陥れば制裁の影響がより深刻になる。すでにロシア国内では物価高や輸入品の品不足、外貨の調達難など、市民生活に影響が及んでいる。

AFP通信によると、ロシア軍ではこれまでに7人の将官が死亡。プーチン政権内では軍幹部や治安・情報機関出身者の失脚も相次ぐ。大統領特別代表のチュバイス元第1副首相は23日までに辞任した。

ロシア国内でも反戦運動が広がりつつあり、ロシアは反体制派の取り締まりなど締め付けを強めている。ロシア側が戦況を打開するため、生物・化学兵器などを使用する可能性があるとして米欧では警戒感も強まっている。

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