/

エジプト、ガザ停戦主導で存在感 米国が謝意

(更新)
エジプトのシシ大統領㊨と会談するブリンケン米国務長官(26日、カイロ)=AP

【カイロ=久門武史】中東歴訪中のブリンケン米国務長官は26日、エジプトを訪れシシ大統領と会談した。同国が主導したイスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの停戦の維持へ協力を確認したとみられる。24日にはバイデン米大統領がシシ氏に電話で謝意を示し、中東外交で高まったエジプトの存在感を印象づけた。

ブリンケン氏は25日にイスラエルでネタニヤフ首相と、次いでヨルダン川西岸でパレスチナ自治政府のアッバス議長とそれぞれ会談した。停戦を確実にするよう求めるとともに、交戦で荒廃したガザの復興へ「国際社会の支援を結集する」と強調した。

米国が訴える停戦維持で不可欠の役割を果たすのが、双方に停戦監視団を派遣するエジプトだ。イスラエルとはアラブ諸国で最も早く国交を結んだ。ガザとは境界を接し、物資供給がハマスへの強いテコになる。エジプトはガザ復興に5億ドル(約540億円)の支援を表明し、停戦後ガザに食料や医療用品を満載したトラック130台を送った。

これに対し米国はイスラエルとの間に隙間風が吹き、関係修復が課題だ。同国が反対するイラン核合意への復帰を目指しているからだ。ハマスは米国がテロ組織と認定しているため公式に交渉できず、協議の相手とするパレスチナ自治政府にはハマスを動かす力がない。

手詰まり感が強い米国と異なり、エジプトはすべての当事者と有効なパイプを持つ。ブリンケン氏の中東歴訪に先立ち、エジプトのシュクリ外相はヨルダン川西岸ラマラを訪れアッバス氏と会談した。停戦維持への協力を念押しし、ブリンケン氏との会談に向け事前調整したとみられている。

エジプトにとって仲介外交の成功は、米国に自らの重要性を再認識させる効果がある。バイデン氏は1月の大統領就任前、シシ氏の強権的な統治手法に批判的で、人権問題で対処を求めるとの見方があった。しかし今回のガザ停戦でエジプトに借りをつくったのは明白だ。

人権問題などエジプトが嫌がる議題を取り上げるのは難しくなったとの観測がある。エジプトがナイル川の水を巡るエチオピアとの対立といった地域の争いで、米国の支援を期待している可能性もある。

ブリンケン氏はエジプトに続いてヨルダンを訪問し、アブドラ国王と会談する予定だ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン