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EUの2020年の発電量、初めて再生エネが化石燃料を逆転

風力が欧州の再生可能エネルギーをけん引する=ロイター

【フランクフルト=深尾幸生】欧州連合(EU)の域内で2020年、再生可能エネルギーによる発電量が初めて化石燃料を上回った。シンクタンクの独アゴラ・エナギーヴェンデと英エンバーが25日に共同で発表した。総発電量に占める風力、太陽光など再エネ電力の比率は38%で、19年から4ポイント上昇した。石炭火力など化石燃料による発電量は3ポイント下がり、37%となった。

EU27カ国全体で初めて風力・太陽光・水力・バイオマスなどの再エネが最大電源となった。11年までは化石燃料が2倍以上の発電量だったが、風力を中心に再エネが急伸し、逆転した。日本の再エネ比率が19年度で18%だったのと比べると差は大きい。

EUの20年の総発電量は2760テラワット時(2兆7600億キロワット時)で、前年より4%減った。再エネは8%増の1054テラワット時だった。風力が9%、太陽光は15%それぞれ増えた。総発電量に占めるシェアは風力が14%で2ポイント、太陽光は5%で1ポイント、それぞれ上昇した。

一方、化石燃料による発電量は10%減の1020テラワット時。なかでも石炭火力が20%減り、シェアは13%と3ポイント下落した。石炭火力は5年間でシェアが半減した。

新型コロナウイルスの感染拡大で電力需要が減るなか、二酸化炭素(CO2)排出枠価格の上昇で、排出の多い石炭から、再エネや排出が比較的少ない天然ガス火力を優先する動きが広がった。原子力はシェア25%で2ポイント下げた。

国別ではドイツとスペインで初めて再エネが化石燃料を上回った。再エネ発電の比率が最も高かったのはオーストリアで79%。以下、デンマーク(78%)、スウェーデン(68%)と続いた。ドイツは45%だった。

化石燃料による発電比率が高かったのはポーランドで83%。これにオランダ(72%)、ギリシャ(64%)が続いた。ただ、オランダとギリシャは脱石炭火力を決めており、今後は減少が見込まれる。化石燃料の比率が低かったのはスウェーデン(2%)やフランス(9%)で、かわりに原子力の比率が比較的高い。

アゴラ・エナギーヴェンデのダイレクター、パトリック・グライヒェン氏は「コロナ後の景気回復が温暖化対策を損なってはいけない。風力と太陽光による電力の増加ペースを20年の2倍にする必要がある」と述べた。

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