/

トルコでウイグル族らデモ 王毅外相訪問で

対中接近に警戒

25日、イスタンブールの中国総領事館前で抗議活動を行うウイグル族ら

【イスタンブール=木寺もも子】中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が訪問中のトルコで25日、新疆ウイグル自治区出身のウイグル族らが中国への抗議デモを行った。トルコは伝統的にウイグル族を支援してきたが、人権問題や外交路線を巡って米欧との関係が悪化しており、中国への接近姿勢を強めている。

24日から中東6カ国への訪問を始めた王毅氏は25日、トルコの首都アンカラでエルドアン大統領やチャブシオール外相と会談した。チャブシオール氏は会談後、ツイッターで、コロナ対策やワクチンで中国との協力を深めると述べた。ウイグル族を巡るトルコの立場も伝えたとしている。

25日、トルコのエルドアン大統領㊨との会談に臨む中国の王毅国務委員兼外相(アンカラ)

中国はウイグル問題で米欧から制裁を受けており、ワクチン外交でトルコの取り込みを図る。トルコは1月から中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンの接種を始めたが、これまで受け取った1500万回分のうち、1400万回超を使い切った。トルコ側は会談を通じ、追加のワクチン供給の確保を狙う。

5万人ともいわれるトルコに亡命したウイグル族は危機感を強めている。25日朝、最大都市イスタンブールの広場に集まった数百人のウイグル族らは「中国は虐殺を止めろ」「トルコよ、(ウイグル族の)兄弟たちへの支援をやめないで」などと叫び、中国による人権侵害を訴えた。

エルドアン氏は、トルコと民族的に近く、同じイスラム教徒であるウイグル問題で対中批判の急先鋒(せんぽう)だったが、最近は急速に親中に傾いている。ワクチン供給への期待が強まった2020年末ごろからは、トルコ国内でウイグル族が拘束される事例が急増した。ウイグル族の団体や治安当局者によると、今年に入り、中国大使館前のデモは解散させられている。

トルコは東地中海での境界争いやロシア製ミサイルの導入などで欧米との関係が冷え込んでいる。中国に接近することで、制裁などでトルコへの圧力を強める欧米への外交カードに利用する思惑も見え隠れする。

25日、イスタンブール中心部の広場に集まったウイグル族ら

中国は20年12月、17年にトルコと交わした犯罪人引き渡し条約を批准し、トルコ側にも早期の批准を促しているもようだ。デモに参加したウイグル族のユルグン・エジズさん(50)は「我々は恐怖の中で暮らしている」と不安をあらわにした。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン