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英、就労ビザを一時的に緩和 運転手不足に対応

(更新)
トラックの運転手不足で一部ガソリンスタンドが閉鎖したことを受け、給油のために長蛇の列ができた(25日、レディング)=AP

【ロンドン=佐竹実】英政府は、欧州連合(EU)離脱に伴って定めた就労ビザの条件を一時的に緩和する。トラックの運転手不足が深刻化し、物流が滞っていることに対応する。EUなどから運転手を呼び寄せる考えだが、英国全体で10万人が足りないとされる。抜本的な解決につながるかどうかは不透明だ。

英政府は25日、トラック運転手5000人、家禽(かきん)産業の労働者5500人にビザを発給すると発表した。クリスマスまでの期間限定とする。英国は1月にEUから離脱したため、EU市民が英国で働くにはビザが必要になった。英政府は語学力、雇用契約の有無などをポイント制にし、一定の基準を満たした人だけにビザを発給しているが、深刻な労働力不足を受けて一時的な方針転換を余儀なくされた。

英国はかねて、トラック運転手や料理人など、幅広い分野でEUからの労働力に依存していた。だがEU市民は新型コロナウイルス禍で帰国し、ビザが取得できないことなどから、多くが英国に戻ってきていない。

政府系シンクタンクESCOEによると、コロナ禍の間に英国を去った人は約130万人にのぼる。業界団体によると、約10万人のトラック運転手が不足しており、スーパーでは一部で品薄の状態が続いている。

英石油大手のBPは23日、運転手不足で輸送が滞ったため、一部ガソリンスタンドを閉鎖すると発表した。これを機にロンドンなどでは燃料不足を恐れてガソリンスタンドに顧客が殺到し、長蛇の列ができた。政府はガソリンは十分にあるのでパニック買いをしないよう求めたが、人々の不安心理は収まらなかった。

一度帰国したEU市民が英国に戻る保証はなく、今回の一時的なビザ緩和の効果は未知数だ。英政府はトラックの運転手確保のために、職業訓練を導入したり、免許の試験数を増やすなどして対応しているものの、物流が増えるクリスマスの繁忙期に間に合わないとの指摘もある。

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