ロシア軍の攻撃「最も活発な段階」 ウクライナ国防省

【テヘラン=福冨隼太郎】ウクライナ国防省のオレクサンドル・モツヤニク報道官は24日、「ロシアの侵攻が最も活発な段階に入っている」との認識を示した。ロシアは東部に戦力を集中させており、ドネツク州では新たに3つの町がロシアの支配下に入った。
ロイター通信などによると、同報道官は「東部戦線の状況は極めて困難だ」と指摘。「ウクライナの運命が今まさに決定されようとしている」と危機感も示した。
ロシア軍はドネツク州とルガンスク州を指すドンバス地方の全域支配を目指し、戦力を集中させている。ウクライナ国防省は同日「ロシア軍が砲兵部隊の支援を受けながらセベロドネツク方面に前進している」と明らかにした。セベロドネツクはロシア軍が全面掌握を目指して特に攻勢を強めている。
一方、ウクライナメディアは「セベロドネツクはウクライナ当局が完全に支配している」とするウクライナ軍当局者の発言を伝えた。近郊の町では戦闘が起こっているものの、町そのものでは戦闘はないという。ただ、同当局者はロシア軍は全軍を投入しているとの見方も示し「状況は非常に困難だ」とも語った。
英国防省はロシアがセベロドネツク周辺を制圧すれば、ルガンスク州全域を掌握することになると指摘している。ウクライナのゼレンスキー大統領は23日に、ロシア軍がセベロドネツクなどに戦力を集中しているとの見方を示していた。
ロイター通信はドネツク州のキリレンコ知事の話として、ロシア軍がドネツク州の3つの町を制圧したと報じた。親ロシア派の「ドネツク人民共和国」はSNS(交流サイト)に、制圧した町の1つでウクライナ国旗をロシア国旗に取りかえたと投稿した。町はセベロドネツクの南西80キロメートルの地点にあるという。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
■戦況
■マーケット・金融への影響
■ビジネスへの影響