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航空会社、現金流出10兆円に悪化 21年IATA見通し

(更新)
21年も航空業界の苦境が続く=AP

【フランクフルト=深尾幸生、ニューヨーク=大島有美子】国際航空運送協会(IATA)は24日、2021年通年の世界の航空会社の現金流出(キャッシュバーン)が最大950億㌦(約10兆円)になるとの見通しを発表した。これまで四半期の現金収支が黒字化するのは10~12月とみていたが、22年にずれ込む。

20年12月時点では、ワクチンの普及で年後半に需要が回復し、21年のキャッシュバーンは480億㌦になるとの予想だった。今回これを750億~950億㌦に下方修正した。新型コロナウイルスの変異ウイルスで各国政府が入国制限を強めた結果、足元の需要が当初想定を下回っているためだ。北半球の繁忙期となる7~8月の予約数(2月時点)はコロナ前の19年と比べて78%少ない。20年は4~12月のキャッシュバーンが約1250億㌦だった。

IATAは3日に21年の航空需要が19年の62%減(20年比13%増)になるとする「悲観シナリオ」を公表していたが、今回このシナリオを「楽観シナリオ」とし、19年比67%減となる新しい悲観シナリオを示した。この場合、10~12月でも160億㌦が蒸発する。

IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長は声明で「もし各国政府が国境を開かないのなら、航空会社が存続するために国庫を開いてもらわなければならない」と述べた。

米航空大手は人件費削減などによって現金流出額の圧縮を急ぐが、航空需要が戻らず厳しい状況が続く。アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空の大手3社の現金流出の合計額は20年10~12月期で1日当たり7500万㌦となった。全体で半年前よりは半分程度に減らしたものの、ユナイテッドでは銀行融資の返済や退職金の支払いで7~9月期より増えた。

デルタは21年春に現金流出をゼロとする目標を示している。ただファクトセットによるアナリストの業績予想の集計によると、3社とも21年前半までは四半期決算の最終赤字が続く見通しで視界は晴れない。単価の高いビジネス需要が戻らないことも背景にある。

仏蘭エールフランスKLMの20年12月期通期の最終損益は70億7800万ユーロ(約9100億円、前の期は2億9000万ユーロの黒字)の赤字と、過去最悪の額を計上した。

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