グッチなどの仏ケリング、毛皮使用を全面中止 22年秋

【ウィーン=細川倫太郎】高級ブランド大手、仏ケリングは24日、2022年秋のコレクションから全ブランドの商品で動物の毛皮の使用をやめると発表した。動物愛護の機運の高まりを受け、ファッション業界では毛皮の不使用が広がっている。
フランソワ・アンリ・ピノー会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「世界は顧客とともに変化し、高級品も当然それに対応する必要がある」とコメントした。ケリングはグッチやバレンシアガ、サンローランなどのブランドを持つ。グッチは先行して17年に動物の毛皮の不使用を宣言した。
近年、高級ブランド各社の間で動物由来の素材を使用しない「アニマルフリー」が急速に広がっている。アルマーニやバーバリーも毛皮の使用を廃止した。欧米を中心に人や動物、地球環境に配慮した「エシカル」消費を支持する若者が増えているためで、各社は代替となる新素材を使った商品開発に力を入れる。仏エルメスはキノコ由来の人工レザーの採用に乗り出している。