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エリクソン、中国の報復警戒 自国のファーウェイ排除で

エリクソンは巨大市場の中国で商機を失うことを懸念している=ロイター

【ロンドン=佐竹実】スウェーデンの通信機器大手エリクソンは24日、中国で高速通信規格「5G」関連の商機を失う可能性があるとの見通しを発表した。スウェーデン政府が中国の同業、華為技術(ファーウェイ)の排除を決めたことを受け、中国が報復に出る懸念があるためだ。スウェーデン経済や産業界にも悪影響を及ぼすリスクがあると指摘した。

社債発行の目論見書に記載されるリスク要因を更新した。その中で同社は、スウェーデンが2020年10月に5Gオークションからファーウェイなどの中国企業を排除した決定について、「中国がエリクソンを含めたスウェーデン産業界を標的とする措置に動くリスクがある。中国での様々な入札の結果、現在の市場シェアが著しく下がる可能性が高まっている」と言及した。「スウェーデンと中国の関係が弱まり、両国間の貿易に影響が出かねない」とも指摘した。

同社は米中対立を念頭に、「地政学的な現状は産業の分裂やグローバルなバリューチェーン、世界的な携帯通信規格の分断を招く可能性がある」と分析した。いくつかの国では「エリクソンなど既存のグローバルベンダーの代替として、各国の通信インフラ企業を支援して継続的な通信を確保しようとしている」とした。

欧州の主要国は米国に歩調を合わせ、ファーウェイの排除を決めた。英国の場合、排除後は一部ベンダーに依存しない方針を示しており、NECが代替候補の一つになっている。

携帯通信に欠かせないアンテナなどの通信機器市場は、エリクソンとファーウェイ、フィンランドのノキアの3社で約8割の世界シェアを占める。ファーウェイ排除に伴ってエリクソンやノキアは5G契約数を増やすなどの恩恵を受けている。一方で、巨大市場である中国でビジネスを失えば業績悪化に直結しかねないというジレンマも抱えている。

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5Gとは
現行の「第4世代(4G)」の最大100倍の速さの次世代通信規格。毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの最高速度はアナログ方式だった1980年代の第1世代の100万倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる。米国と韓国の通信大手が世界に先がけて商用サービスを始めた。

1Gから4Gへの進化は主に速さの向上だった。5Gは「多数同時接続」「超低遅延」という特徴が加わる。たとえば自宅で約100個の端末やセンサーを同時にネット接続できる。利用者が通信の遅れを意識することは格段に減る。

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